2009年10月22日にリクルートが発表した『結婚トレンド調査2009』によると、結婚に掛かった平均費用(結納・婚約から新婚旅行までの平均費用)は、昨年よりも12.7万円アップし、433万円になったことが分かった。 |
|
結納・婚約〜新婚旅行にまつわる平均費用
|
|
その内訳は下記の通りある。 |
|
結納・婚約〜新婚旅行にまつわる平均費用の内訳 |
(単位:万円) |
|
2005年 |
2006年 |
2007年 |
2008年 |
2009年 |
婚約指輪 |
35.5 |
35.5 |
35.7 |
35.5 |
36.2 |
結婚指輪(2人分) |
16.4 |
17.5 |
18.5 |
19.9 |
21.6 |
挙式・披露宴・披露パーティ総額 |
292.8 |
303.1 |
318.7 |
317.4 |
330.7 |
挙式料 |
- |
21.7 |
21.6 |
21.5 |
22.1 |
料理+飲み物(1人あたり) |
1.6 |
1.6 |
1.7 |
1.7 |
1.7 |
新婦の衣裳 |
38.5 |
39.0 |
40.5 |
42.5 |
43.4 |
新郎の衣裳 |
12.8 |
13.1 |
13.6 |
14.5 |
14.7 |
ブライダルエステ(プレケア) |
6.5 |
7.3 |
7.7 |
7.7 |
8.6 |
ギフト |
- |
29.2 |
31.5 |
33.1 |
33.7 |
ブーケ(1個あたり) |
|
2.5 |
2.6 |
2.6 |
2.6 |
装花 |
14.6 |
14.9 |
16.1 |
15.7 |
16.8 |
ウエルカムボード |
0.8 |
0.9 |
0.9 |
1.0 |
1.1 |
スナップ撮影(業者に支払った費用) |
16.4 |
19.4 |
19.9 |
20.3 |
21.2 |
ビデオ(業者に支払った費用) |
12.0 |
13.6 |
14.5 |
14.5 |
15.3 |
新婚旅行 |
49.5 |
51.5 |
52.9 |
53.6 |
53.2 |
|
|
|
多くの項目で各項目で平均費用が上昇していることが分かる。費用の中で、最も大きなウエイトを占めているのは「挙式・披露宴・披露パーティ」であるが、これらをあげた理由は下記の通りである。 |
|
挙式・披露宴・披露パーティをあげた理由 |
(単位:%) |
|
2006年 |
2007年 |
2008年 |
2009年 |
親・親族に感謝の気持ちを伝えるため |
60.3 |
63.1 |
67.5 |
69.3 |
親・親族に喜んでもらうため |
54.9 |
55.5 |
58.4 |
58.0 |
友人など親・親族以外の方に感謝の気持ちを伝えるため |
42.3 |
46.5 |
50.2 |
54.7 |
以前からあこがれていたため |
41.1 |
44.4 |
42.7 |
44.9 |
ゲストに自分たちの姿を見て欲しかったため |
45.1 |
46.1 |
43.3 |
44.1 |
友人など親・親族以外の方に喜んでもらうため |
37.0 |
38.6 |
40.4 |
41.4 |
けじめなので |
31.5 |
30.8 |
30.7 |
30.4 |
自分たちが楽しむため |
29.3 |
28.5 |
28.1 |
29.7 |
親・親族に勧められたから |
11.9 |
10.5 |
10.5 |
11.4 |
するのがあたり前だから |
8.7 |
9.7 |
8.1 |
8.3 |
ゲストに自分たちが結婚することを自慢したかったため |
4.7 |
4.9 |
4.2 |
4.3 |
周囲の意向で仕方なく |
2.3 |
1.9 |
2.0 |
1.9 |
親族以外の会社関係の方などに勧められたから |
0.6 |
0.6 |
0.7 |
0.7 |
宗教上の儀式のため |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
0.3 |
その他 |
2.2 |
2.0 |
2.6 |
2.2 |
無回答 |
0.8 |
0.8 |
0.7 |
0.6 |
|
|
|
2006年から2009年で上昇率が高い項目は、「親・親族に感謝の気持ちと伝えるため」「友人など親・親族以外の方に感謝の気持ちを伝えるため」であり、「感謝の気持ち」を表す方法としての「挙式・披露宴・披露パーティ」に対する投資が増加していることになる。
「けじめなので」「するのがあたり前だから」「周囲の意向で仕方なく」「勧められたから」といった項目が減少していることを見ると、「感謝への気持ち」は形式的・受け身的なものではなく、新郎新婦の素直な気持ちの現れといえよう。
景気が低迷している中、結婚費用は「感謝を表すため」の「聖域」として投資されているようにも見受けられる。また、晩婚化の進行によって、結婚時の貯蓄が増加していることも、その背景となっているであろう。
総務省の家計調査(平均)を見ると、勤労者世帯における2005年〜2008年の可処分所得の推移は、2005年に対前年マイナスとなったものの、2006年〜2008年の3年間は僅かではあるが増加している。結婚の準備期間が半年以上であると想定すれば、2009年の結婚費用の半数は、2008年の可処分所得の影響を受けている可能性がある。 |
|
|
2005年 |
2006年 |
2007年 |
2008年 |
2009年 |
441,156 |
441,448 |
442,504 |
442,749 |
427,912 |
|
|
2010年2月16日に発表された家計調査(平均)よれば、2009年の可処分所得は、対前年マイナスとなり、2010年の結婚費用に少なからず影響を与えるのではないかと予測される。ただし、貯蓄増加をもたらす「晩婚化」の進行と、「感謝を表すため」という「挙式・披露宴・披露パーティ」」の「聖域化」が、可処分所得減少の影響を緩和する要因になるであろう。
さらに、「草食系」「欲しがらない若者」などと呼ばれるような次世代の新たな価値観が結婚費用にどのような影響を及ぼすのかについても不透明であり、結構費用の低下を招く要因になることが懸念される。 |
|
2010年2月29日 |